みなさんは村上春樹さんをご存知でしょうか?また、村上春樹さんの本を読んだことがありますか?
小説と言えば、最近ノーベル文学賞を受賞した日系イギリス人作家、ガズオ・イシグロさんが有名になりましたね。村上春樹さんが受賞されることを期待していたファンの方にとっては残念だったかもしれませんが、今回受賞された方が日系ということで心なしか日本人としては光栄に思えましたよね。これからももっと有名な日本人作家が出てくるようになると思うのですが、何年経ったとしても、一度有名になった小説家の名は廃れることがないでしょう。
私はドイツに住んでいた時、よく本屋さんに行くことがありました。ドイツ人作家の中に紛れ、村上春樹さんの本が数冊置いてありました。「IQ84」は勿論、「ノルウェイの森」、「国境の南、太陽の西」なども置いてありました。また、ドイツではオーディオブック(聞いて読む本)の種類が多く、そのオーディオブックにも村上春樹さんの本が収録されているほどです。
ではなぜドイツで村上春樹さんがそんなに人気なのか。その魅力について、村上春樹さんの本を一部抜粋しながら今日は書いていきたいと思います。

村上春樹とは
京都府出身、兵庫県育ちの村上春樹さん。いや~根っからの関西人ですね!同じ関西人として親近感沸きます(笑)彼の作品にも、この「関西」での経験が出ているように思います。しかし大学は早稲田大学ということで関東での生活経験もあり、彼の作品には日本の地名やその地域の方言を使った文章などが書かれています。下記 ”おすすめ作品” でも紹介しますが、「海辺のカフカ」なんかもそうですよね。東京の中野区に住んでいた主人公が四国の高松へ。もし村上春樹さんが関東に住んだ経験がなければ「中野区」を選ばなかったかもしれません。
村上春樹さんは実は「翻訳家」としても活躍されており、英語も流暢なそうです。しかし、高校までは英語が苦手だったそうです。インターネットでの情報によると、ひたすら英語の本を読んで英語を身に付けたのだとか。先日、小学生がTOEIC990点を取ったという番組を見ました。その小学生の勉強法もひたすら英語の本を読むことでした。わからない単語は調べ、目で読むのではなく声に出しながら読む。彼らは文法などをはじめから意識して勉強しているのではなく、英語をひたすら読むことによって自然と文法や語彙が身についたんだろうと思います。
少し話がずれてしまったので本題に戻しますが、村上春樹さんの本を数冊読んで思ったことがあります。村上春樹さんの作品、すべてとは言いませんがだいたいの作品の結末がよく、「・・・?」となることです。私の理解力や想像力がよくないからなのかもしれませんが、結末がいつも歯がゆい感じがします。良い意味で言うと日本人特有の「奥ゆかしい」ところが出ており、結末を自分で想像できる。悪い意味で言うと、結末があるようでないような作品もあり、内容によればモヤモヤするところがある。つまり、読み手によってとらえ方が変わる内容の作品が多いのです。そして、結末に行くまでがとても興奮します。「この先どうなるの?!終わりは?!」と先読みしたくなるような書き方をするのが村上春樹さんです。では、私が読んだ村上春樹さんの作品の中でおすすめの作品と、ドイツに関連する村上春樹さんの作品を紹介したいと思います。
おすすめ作品
ノルウェイの森
映画化にもなった作品です。映画では水原希子さんが「直子」の役を小説のイメージと同じように演じられています。
既にお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、タイトルが「ノルウェイの森」なのでノルウェーが出てくるのかと思いきや、ドイツのハンブルク空港!村上春樹さんの作品の中にはよくドイツの街の名前が頻繁に出てきます。ドイツ好きな方にとってはとても親近感沸きますよね(笑)
忙しい生活の中、精神的にしんどくなる環境が多い今日この頃。一度この作品を読んで、人の心とは何なのか考えてみるのもいいかもしれません。
海辺のカフカ
2つのストーリーが最後に重なり、1つになる。どんな結末が待っているのか気になり、寝るのも忘れ読んでしまう作品です。
また、中野区に住む猫と会話ができる老人、ナカタさんは一人の男を殺害する。そして「入口の石」を探すため、トラック運転手の星野さんの力を借りながら向かうは同じく高松。「入口の石」とは何なのか?殺害された男の正体とは?
パン屋を襲う
ドイツらしいパン屋をテーマにしたストーリー。ドイツ人イラストレーター、Menschick Kat(メンシック・カット)さんによるイラストの挿絵もあり、本の内容とリンクして想像力を広げてくれます。
数年後、結婚した主人公は妻と一緒に当時と同じような空腹感を感じる。深夜2時半。妻の「もう一度襲うのよ」という提案と指示でもう一度「パン屋再襲撃」を試みるが襲撃した先は・・・。
図書館奇譚
「パン屋を襲う」と同じくドイツ人イラストレーターの挿絵入り。奇妙・不思議という言葉が似合う一冊です。不思議ワールドに飲み込んだ先は・・・?
ねむり
眠れない。眠れない。眠れない。突然眠れなくなった主婦の世界を描いた作品。
MIZUKI
ドイツに関連する本
ドナウの旅人
宮本輝さんが書いた長編小説、「ドナウの旅人」上・下巻。
思い出の地を踏むや、夫のいる母親が若い男と一緒に旅をしているということを知る。以前付き合っていたドイツ人のシギィとともに母親を追うために東西ヨーロッパを横断。旅の最後に待ち受ける結末とは?母と娘の愛と人生の再スタートを描くストーリー。

以上、村上春樹さんのおすすめの本と、村上春樹さん以外の作家でドイツに関連する内容の本の紹介でした。
ここで、村上春樹さんがなぜドイツで人気なのか考えてみたいと思います。
村上春樹さんは日本でも知名度は高いですよね。また、映画化になっている作品があります。この、映画化になるというのはとても重要で、国内で大ヒットしたものは海外でもヒットしやすく、また、映画化された内容は世界でも通用する内容なのです。また、村上春樹さんの描く内容は、ドイツ人の性格に合っているのではないでしょうか。日本人とドイツ人、似ているところがあります。そういったところからも、人気の理由があるのかもしれませんね。
それでは、紹介したおすすめの作品をぜひ読んでみて、思った感想などありましたらコメント下さい♪
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